沢山慶充さん / サッカー日本代表中村敬斗選手専属シェフ・レストラン料理人 Vol.1
アスリートが成功するためには、競技のトレーニング以外にも重要なことがあります。
正しい道へと導いてくれる指導者の存在、成長をサポートするパートナーの存在も欠かせません。共に戦うパートナーたちは、いかにしてアスリートの可能性を引き出しているのでしょうか。
ここでは、第一線で活躍する専門家や経験者の生の声から、アスリートを成功へと導くサポートのヒントを探っていきます。
今回ご登場頂いたのは、沢山慶充さん。
日本やノルウェーなどのレストランでシェフとしてキャリアを積んだ後、2017年よりメキシコ(パチューカ)にて本田圭佑選手の専属シェフに就任。現在はフランス・リーグアンのオリンピック・リヨンに所属する日本代表FW中村敬斗選手の専属シェフを務めています。
料理を作るだけでなく、選手に寄り添う「母親のような存在」として、食卓から選手たちの心とコンディションを支え続けています。
また、近年ではジュニア期の子どもたちや保護者を対象にした「食育」の講義や料理教室などの活動も精力的に展開しています。
サッカーでの悔しさを、「料理」というベクトルに変えて
——— トップアスリートの近くで料理を作るという選択肢。沢山さんが専属シェフという道を選んだ背景には、かつてピッチの上で味わった強い悔しさがありました。
「原点は本田(圭佑)選手との出会いですね。実は僕、地元が石川県でして、高校からサッカーを始めたんです。その当時、圧倒的な存在だった星稜高校の本田さんと試合で直接対戦したことがあって。そのとき、本田さん1人に6点くらい決められたんです。ピッチの上ですごい活躍をされていて、圧倒的なオーラもあり、とてもじゃないけれど自分では届かない存在でした。
その後、僕は料理人になって、日本やノルウェーのレストランでシェフとして働いていたのですが、本田選手がメキシコに移籍されたタイミングで『専属シェフを募集している』という情報を耳にしました。サッカーではまったく敵わなかったけれど、自分がやってきた『料理』というベクトルで、あの人に何かを残したい、認めてほしい。そんな気持ちがどこかにあったのかもしれません。事務所へご連絡をして、一度自分の料理を食べていただくことになりました」
——— そこで沢山さんを待ち受けていたのは、トップアスリートの世界ならではの、極限のプレッシャーがかかる突発的な選考でした。
「お会いしてすぐに『6時間後にゲストが来る。でも、この家には食材も調理器具も一切ないけれど、できる?』と言われたんです。
そこで『できない』と言ってしまえば、もう一緒のステージには上がれない。そう思ったので、すぐに『やります』と答えて、本田さんと一緒に食材や調理器具を買いに行きました。限られた状況のなかでなんとかコースを作りきり、そこで第一段階として認めていただいたという形です」
常に刺激を受ける、プロフェッショナルたちの隣で
——— 日々トップアスリートのすぐ近くで過ごす生活。その環境は、沢山さん自身のモチベーションや料理人としての姿勢に、とてもポジティブな変化を与えていると言います。
「専属シェフと言う道を選んで良かったところは、選手の方々と日々身近に過ごさせていただく中で、試合に向けての準備や考え方を間近で見られることです。『サッカー選手の考え方』を1日中近くで感じ、プロフェッショナルな姿勢や自分になかった視点に触れて、人としてもすごく尊敬する部分がたくさんあります。そうした近くで学ばせていただける環境にいられることは、本当に素晴らしいなと思っています。
悪かったと思うことはほとんどありません。ただ、ポジティブな大変さという面では、例えばロシアワールドカップが終わったときに『自分はもっとできたんじゃないか』という思いがふと湧いてきたことがありました。自分自身は全力でやっていたかもしれないけれど、もっとできたはずだ、と。
そこから『もっと海外に挑戦して自分のレベルを上げたい』と思うようになり、あえて厳しいレストランに挑戦してさらに自分を追い込んでいきました。そうやって継続していくことで、見え方や自分のレベルが変わっていく。選手たちの姿を見て、自分の出来なさを痛感しながら『もっともっと成長していきたい』と思えることが、一番の刺激になっています」
——— コンディションの良し悪しに関わらず、最も近い距離で見守り続けるパートナーとしての役割。食事のアプローチだけに留まらない、精神的な寄り添い方の理想像が見えてきました。
「もちろん食事の面でも、怪我に合わせてメニューを変えるなどアプローチはしていきます。ただ、それ以上に日々一緒に過ごす中で『寄り添うこと』がすごく大事だと思っています。選手が落ち込んでいるときはちゃんと話を聞きますし、モチベーションを維持していただくために自分に何ができるかを日々考えています。
普段は選手のご自宅のキッチンで調理をしているので、1日のうち一緒にいる時間はだいたい4時間くらいになります。ずっと喋っているわけではないですが、ご飯を食べているときに話を聞いたりします。自分が思うのは、料理を作るだけじゃなくて、話を聞いたりして、少しでも食事以外の部分でも心のよりどころになれる『母親』のような存在になれればいいな、ということです。そうやって寄り添うことを、僕はすごく大事にしています」
世界の最先端にアンテナを張り、自らをアップデートし続ける
——— 選手たちが常に厳しい戦いに身を置いているからこそ、支える側である沢山さんもまた、日々のインプットと自分自身のアップデートを決して怠りません。
「料理面での学びやアップデートという部分で言うと、例えばいまサポートしている中村選手の場合、オフシーズンが3ヶ月ほどあるのですが、その期間を利用して他の国のレストランに行って実際に働かせていただいたり、営業しているレストランの現場に飛び込むことで得られる新しい学びが、海外でも日本でもたくさんありますね。
今の料理の世界は、本当に毎年毎年トレンドが変わっていきます。世界的に見ても、今はネットなどを通じて膨大な情報が手に入る時代です。だからこそ僕は、色々な国の最先端の料理というところに常にアンテナを張って、情報を見ています。どういったものが今のトレンドなのか、そして『食』というジャンルにおいて世界が今どういうふうに変わっていこうとしているのか。海外のシェフたちが発信しているものや記事も含めて、常にチェックして自分のなかに取り入れる意識を持っています。」
——— 選手と同じ高い熱量で自らを磨き続けている沢山さん。そんなトップアスリートを支えるプロフェッショナルとしての眼差しは、これからの未来を担うジュニアアスリートたちの食卓、そして日本のスポーツ界の可能性へも向けられています。
【プロフィール】
沢山慶充 / Yoshimitsu Sawayama
ノルウェーなど海外のレストランでシェフとしてキャリアを積んだ後、2017年よりメキシコ(パチューカ)にて本田圭佑選手の専属シェフに就任。現在はフランス・リーグアンのオリンピック・リヨンに所属する日本代表FW中村敬斗選手の専属シェフを務める。トップアスリートに寄り添う「母親のような存在」として、食卓から選手たちの心とコンディションを支え続けている。
このたび、沢山慶充さんとの『ATHLINK 特別オンライントークセッション』の開催が決定いたしました!
アスリートご自身やそのご家族、ジュニアアスリートの保護者の皆様、指導者・栄養士、料理人を目指す方々、そしてアスリートサポートに興味があるすべての方に向けた特別企画です。
■ イベント概要
開催日時: 11月5日(木)21:00~22:00(開場 20:50〜)
開催形式: Zoom(オンライン配信)
参加費: 無料
ゲスト: 沢山 慶充 氏(アスリート専属シェフ)
司会:菊地舞美(フリーアナウンサー)
■ イベントの見どころ・企画内容
① 皆様の質問からテーマを作る「対談型オンライントークセッション」
皆様から事前にお寄せいただいた質問や気になる疑問をピックアップし、司会と沢山シェフが対談形式で徹底的に深掘りします!
世界トップレベルの食のサポート法、ジュニア期の食育やメンタル育成、専属シェフという職業のリアルなど、現場で役立つ実践的な知見をたっぷりとお届けします。
② Instagramにて質問募集中!
ATHLINK公式Instagramにて沢山シェフへの事前質問を募集中!
皆様からいただいた質問が当日のトークテーマになりますので、ぜひコメント欄やストーリーズから日頃のお悩みや気になる疑問をお寄せください。
▼Instagramで質問・コメントする
https://www.instagram.com/p/DeoT-YAEy7c/?vrfl=MXg5bHppOXJnZWNpOQ%3D%3D
■ 参加(お申し込み)方法
以下のリンクより【無料参加お申し込み】が完了いたします(ATHLINK公式LINEの友だち追加)。
当日の参加用Zoom URLなどの詳細は、イベント前日に公式LINEにてご案内させていただきます。
👇 【無料】イベント参加お申し込みはこちら
イベント参加申込用URL:https://s.lmes.jp/landing-qr/2011585292-eQqFLtvT?uLand=1PWsRF
皆様のご参加を心よりお待ちしております!