鈴木啓太さん / AuB株式会社 代表取締役・元サッカー日本代表 Vol.3
アスリートの生の声を聞くインタビュー企画。
アスリートとして充実したキャリアを送るため、そして引退後のキャリアを充実したものにするため、周囲のサポートは欠かせないものです。
アスリートたちは、どんなサポートを受けて育ち、どんな専門家たちと歩みを共にしてきたのでしょうか。
記念すべき第一回にご登場頂いたのは元プロサッカー選手で、引退後もビジネスシーンで大活躍をしている、鈴木啓太さん。
浦和レッズで16年間プロ生活を送り、日本代表選手としても活躍。浦和レッズでは、J1優勝、AFCチャンピオンズリーグ優勝を経験。Jリーグベストイレブンに2度選出されています。
引退後にはAuB株式会社を設立。「すべての人を、ベストコンディションに。」を目標に掲げ、腸内細菌の研究を続けながら、機能性・品質を科学的に追求した商品・サービスを開発しています。
VOLUME 1ではジュニア時代に、VOLUME 2ではアスリート時代に受けたサポートの話をそれぞれ伺いましたが、VOLUME 3では、アスリートとして現役で活躍しているときに知りたかったことについて話を聞きました。
”お金”についてもっと学べる機会を
———2015年、引退と同時に腸内細菌を研究するAuB株式会社を設立。「すべての人を、ベストコンディションに。」というミッション達成へ向け、チャレンジを続けている鈴木啓太さん。日本では避けられがちな話題であるものの、もっとお金について学ぶ機会があったほうがいいでのはないかと思っているそうです。
「たとえば、高校生ぐらいから金融についてもっと学ぶ機会、環境があってもいいのではないかと思います。僕の父親と母親は、僕が20代後半ぐらいの頃にファイナンシャルプランナーの資格を取りました。それが決して遅いわけではないですし、素晴らしいチャレンジなのですが、もっと前にそういう機会があっても良かったのかなとも思います。お金のことについて触れる機会、場所というのが日本は少ないのかなという気がしていて。世界中を見渡せば、日本は教育格差が大きいわけではないと思いますが、欲を言えばもっと皆がお金について学べると良いのかなと思います」
———鈴木啓太さん自身、もっと現役の間に金融について学べていればという思いがあるそうです。
「僕は引退してすぐに事業をスタートしましたが、もうちょっと金融に関する知識があればなと思うことは多々ありましたし、そもそもお金のことを学ぶことが大切だということを知れる機会があったら良かったなと思います。語学もそうですが、引退後に自分でビジネスをするにせよ、会社員として働くにせよ、学んでおいて損はないですよね」
トップアスリートがしっかりと稼げる世界に
———また、トップアスリートが現役中にしっかりと稼いでお金を残せる世の中であってほしいという思いもあるそうです。
「たとえば、サッカーの日本代表としてワールドカップに出場して活躍した選手たちが現役を引退したとき、特に仕事をしなくてもご飯は食べていけるようでないと夢がないというか、そうなってほしいなという思いがあって。5歳からサッカーを始めて、周囲のサポートも受けながら10〜15年かけてプロになって、そこから10年、15年と頑張ったら、人生の20年〜30年をかけているわけなので。そこで超一流と呼ばれるレベルにたどり着いたのなら、一生ご飯が食べられるくらい稼げないと夢がないですよね。プロスポーツには、成功したら一生食っていけるぐらいの夢はあってもいいのかなと思います」
もっと前に知りたかった”呼吸”の重要性
———鈴木啓太さんが代表を務めるAuBでは、腸内環境をケアするサプリメントや調味料、コンディションをケアするバスソルト、足を整えるインソールなど、アスリートのコンディショニングにも役立つプロダクトを展開しています。そんな鈴木啓太さんが、もし現役時代に戻ってコンディショニングのために何かを追加できるとしたら、取り組みたいものは“呼吸”なのだそうです。
「今では、毎晩メディテーションを兼ねて呼吸を整えることをしているのですが、現役時代にもっと呼吸に意識を向けて、呼吸について学んでいれば良かったなと思います。やっぱりプレッシャーがかかってくると呼吸って浅くなるのですが、それに気がついて整えることが大切で。たとえば、寝る前に深い呼吸ができる状態にしておくことができれば、疲労回復を促進できたでしょうし、自律神経への負荷を小さいものにできたかもしれません。試合が終わった後の神経が昂っている状態のときに、眠れないからテレビでも観てようなんてことも減らせたはずです」
———後悔のないアスリート人生を送るために「日々、自分と対話しながら競技に打ち込んでほしい」と鈴木啓太さんは話します。目標達成のために、今の自分に何が必要かを考え続けることが大切なのでしょう。
【プロフィール】
鈴木啓太 / Keita Suzuki
AuB株式会社 代表取締役。高校卒業後、2000年に浦和レッズに加入。2006年、2007年には2年連続Jリーグベストイレブンに選出され、2009年から3年間キャプテンとしてチームを牽引。Jリーグ通算379試合出場、日本代表通算28試合出場。引退後は実業家に転身し、AuB株式会社を設立。腸内細菌に着目し、ヘルスケア、フードテック事業を行っている。
文:神津文人 / FUMIHITO KOUZU
撮影:山田陽 / AKIRA YAMADA